全国各地に河童(かっぱ)伝説があります。河童は、川や沼などの水辺に棲む妖怪の類で、馬などを水中に引き込んだりしますが、どこか憎めないとろがあり、頭に水をためるお皿があり、きゅうりを好み、捕らえても放してやると恩返しもしてくれるようです。近年、これらのカッパ伝説は「地域起し」にも一役買わされて、河童は増殖しています。かなり以前のも含めて、今までに出会った河童を総ざらいしてみました。

多摩川の河童、たま坊

善養寺 東京都世田谷区野毛2-7-11

善養寺は、多摩川のすぐ傍らの高台に建つ古刹です。多摩川の大洪水の時流れてきた祠を祀ったのを楚とする「野毛六所神社」の別当寺で、多摩川とは深い縁があります。境内に多摩川の精、「たま坊」として河童像が置かれています。河童を彫った碑もあります。境内には多種多様な石像がたくさんあります。

 

浦安の河童、ベカ舟河童

浦安市健康センター横路傍 千葉県浦安市猫実一丁目付近

(案内板の要旨)この付近は、埋立て前は堺川の東の端で、常灯明があり、この先には遠浅の海が広がっていました。かつて、子供たちは境川で河童のように泳ぎ、川岸にたくさんあったべか舟にも乗って遊びました。現在の境川を河童も住めるきれいな川にしたいとの願いを込めた「べか舟河童」です。平成21年3月 ふるさと浦安かっぱ村

 

「河童」について、以前に下掲の河童を記事にしています。本稿ではこれらの河童の写真のみをご参考までにに載せましたが、詳細は記事への「リンク」でご覧ください。

合羽橋の河童、かっぱ河太郎

曹源寺  東京都台東区松が谷3-7-2

湿地改良の掘割工事を手伝ってくれた隅田川のカッパ、かっぱ河太郎

近年、曹源寺境内には他の河童像なども置かれ、河童橋商店街には、創立90周年を記念して建立した、金箔張りブロンズの「かっぱ河太郎像」などもあるようです。



 

間門川の河童、酒徳利の河童

輪光寺 神奈川県茅ヶ崎市円蔵2238 

恩返しに、いくら汲んでも酒が尽きない酒徳利をくれた間門川(現小出川)のカッパ。

 

若宮様のかっぱ、エンコ様

若宮神社 愛媛県西予市明浜町高山

恩返しに、若宮様に鯛を毎朝届けた瀬戸内のカッパ、エンコ様。


 

遠野・常堅寺のカッパ狛犬

常堅寺 宮城県遠野市土淵町土淵7-51

恩返しに、寺の消火を手伝ってくれた遠野かっぱ淵のカッパ、カッパ狛犬.


 

蛭子(ひるこ)の神の神使の河童、川伯

長崎諏訪神社内 蛭子社 長崎市上西山町18-15

「水に係わる願事成就・水子守護」の神、蛭子(ひるこ)の神(少彦名神)の神使の川伯(河童)


 

カッパ狛犬 について

頭天に窪み(凹)のある狛犬があり、「カッパ狛犬」とも呼ばれています。 河童(かっぱ)は、頭に水を溜めておく皿(さら・窪み)があり、皿の水が乾くと生きていられない想像上の動物(妖怪)とされます。 そこで、河童と同様に「頭に水が溜まるような窪み(凹状)のある狛犬」は、その像容から、河童に縁が有る無しに拘わらず、一般に「カッパ狛犬」の愛称で呼ばれています。16対のカッパ狛犬を見てみました。