ムジナ(狢)・ウマ・サルが袈裟をつけて僧侶の姿になっています。 山門の前に狐狸妖怪のいる寺もあります。 でも、 なぜか憎めない連中です。

 

僧侶に化けたムジナ(狢)

瑞泉寺  神奈川県鎌倉市二階堂710

むかし、鎌倉の瑞泉寺の庫裏(くり)に、僧侶に化けたムジナ(狢)が夜な夜な酒を無心に現れました。しかし、正体がばれて退治されてしまいました。

境内の狢塚(むじなづか)にその霊が祀られ、僧侶姿のムジナの石像も置かれています。

なお、狢は、狐や狸と同様に、よく、人に化けるといわれます。

       瑞泉寺の「狢塚」の僧侶に化けたムジナ
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袈裟(けさ)を着けたウマ(馬)

久遠山本寿院  東京都練馬区早宮2-26

僧形馬頭観音像 文政6(1823)年6月、施主:三河屋安次郎

馬が袈裟を着け、左手に数珠を持ち、右手で祈って座しています。馬頭人身像です。        なんと、案内板によると、この像は「僧形の馬頭観音像」とのことです。案内がなければ、どう見ても僧侶姿の馬にしか見えず、「馬坊主」とでも呼んでしまいそうです。

 一般に、馬頭観音像は、(三面の)観音の頭上に、馬の頭部や顔が載ったものです。(下掲の写真参照)

馬頭観音像 青蓮寺(東京都板橋区成増4丁目)

 

 

 

 

 

 

 

僧侶姿の白猿 

猿畠山法性寺(えんぱくさんほっしょうじ)      神奈川県逗子市久木9-1-33 法性寺山上の猿像

この僧侶姿の白猿は、日蓮上人が鎌倉の松葉ヶ谷の草庵で焼き討ちにあった際に、上人を援けて尾根伝いにこの付近(法性寺)に案内したとされる猿です。


 

 

 

 

 付録 山門前の狐狸妖怪

寺には狐狸妖怪が出入りするようです。

 

 狐狸妖怪不許入山門

西光院  埼玉県川口市戸塚2-6-29

狐狸妖怪(こりようかい)は山門内に入るべからず

                   狐狸妖怪

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 門前茶屋の妖怪

深大寺 東京都調布市深大寺元町5-15-1

深大寺門前、参道の「鬼太郎茶屋」に水木しげる氏の「ゲゲゲの鬼太郎」の妖怪たちがいます。

                                                      

                                               深大寺山門(上)と鬼太郎茶屋(下)

                                       

 

 

 

 

 

回廊の縁下の妖怪

藤井山五智院 岩本寺   高知県高岡郡四万十町茂串町3-13

四国八十八ヶ所霊場・第三十七番札所

境内にも妖怪はいます。堂の回廊の縁下に、木彫りの妖怪の面が二つ置かれています。太い丸木から彫りだした、縦が90cm近くもある大きな面です。

                                                           回廊の縁下 丸木彫りの妖怪(面)

岩本寺妖怪面