古代中国では、 動物(生き物)を鱗蟲(虫)・毛蟲・羽蟲・甲蟲の四つに分類していました。 この四つの分類のそれぞれを統括する長(王)が、龍・麒麟・鳳凰・霊亀で、四霊獣とよばれます。 四霊獣は、瑞獣(縁起のよい獣)とされ、世の中が瑞気に満ちて、平和な時代のみに出現するとされました。

四霊獣は古代中国の動物四分類の長(王)

     動物の四分類  分類の長(王)   (各分類にはさらに360種類の生き物がいるとされる)
   鱗蟲     魚や蛇のように鱗を持つ生物
   毛蟲  麒麟  獣類のように毛を持つ生物
   羽蟲  鳳凰  鳥のように羽を持つ生物
   甲蟲  霊亀  甲殻類のように固い殻や甲羅を持つ生物
        (上記の四分類に、人間を長とする裸蟲を加えて五分類ともする)

 

以下に 私の出会った四霊獣の像などを並べて見ました。 どの写真もクリックして拡大できます

                                                       

鱗蟲(魚・蛇など鱗を持つ生物)の長。 鱗は鯉、角は鹿、頭は駱駝、眼は兎(又は鬼)、首は蛇、腹は蜃(しん)、爪は鷹、手は虎、耳は牛に似る。皇帝を象徴、昇龍降龍、請雨法の本尊、八大龍王。

(四霊獣の一つとされる龍は翼をもつ「応龍」とされる。最下欄の東照宮の「飛龍」がそれにあたる)

 

養沢神社 東京都あきる野市上養沢

 

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下 阿夫利神社「二重社」 神奈川県伊勢原市大山

 

 

 

 

 

 

飛龍 日光東照宮 手水舎 栃木県日光市山内2301

③日光手水舎の飛竜R02##

 

麒麟

 毛蟲(獣類のように毛を持つ生物)の長。 体は鹿、頭は狼、尾は牛、足は馬、頭に角。頭脳が優れ、虫も踏まず、草を折ることもない仁獣。聖徳の為政者の出現と共に現われるという。麒麟の麒は雄、麟は雌。

太宰府天満宮 福岡県太宰府市宰府4-7-1 嘉永5年(1852)奉納

 

 

 

 

 

                              
          右 キリンビアパーク取手 茨城県取手市桑原

 

鰭(ひれ)を強調した麒麟像  日本橋欄干(東京都中央区日本橋)

 

 

 

 

 燈籠台石の麒麟 王子稲荷 東京都北区岸町1丁目12−26

 

 唐門(日暮門)の麒麟 京都・西本願寺 京都府京都市下京区堀川花屋町下

 

鳳凰 

羽蟲(鳥のように羽を持つ生物)の長。 鳳凰は梧桐(あおぎり)に棲み、竹の実を食べ、醴泉(甘水)を飲む。五色絢爛な色彩で、声は五音を発するという。世の中が平和で瑞気に満ち、聖徳の天子が現れる前兆として姿を現わすという。鳳凰の鳳は雄、凰は雌。

                          神田明神(神田神社)鳳凰殿 東京都千代田区外神田

                             専修寺京都別院 京都市右京区鳴滝戸山町

                         平等院鳳凰堂 京都府宇治市宇治蓮華116

 

 霊亀

甲蟲(固い殻や甲羅を持つ生物)の長。 霊獣としての亀(霊亀)は龍頭で、目は大きく、口には牙があり、手足は太く逞しい。厚い甲羅と鱗状の皮膚で覆われている。千年以上経った亀とされ、吉凶を予知する能力を持つという。

 善養寺 東京都世田谷区野毛

 

 

 

 

 

 

 

                  下左 善養寺 東京都世田谷区野毛      下右 亀岡八幡宮 栃木県芳賀郡益子

 


付録

麒麟ラベルの隠し文字

キリンビールのラベルは、麒麟の図柄となっていますが、この図柄の中に文字が隠されています。ご存知の方も多いと思いますがどこにあるか探してみましょう。(クリック拡大)

 解答は右下のサムネイルをクリック