神使像めぐりをしていて、 神社や寺では、なかなか巡り会えないのが 「熊」の像です。杉並区の「第六天神社」で足柄山の金太郎と熊の図柄のあるレリーフに出会いました。そこで、 この機に、箱根の足柄峠や金時山周辺の「金太郎と熊」の像を訪ねてみました。

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足柄山の金太郎

箱根の古期外輪山の足柄峠や金時山の周辺には、 有名な金太郎伝説があります。

金太郎は、 足柄山中で、山姥(やまんば)と赤竜との間に生まれ、 全身赤く、怪力の主で、熊・猿などの動物を友とし、腹掛けをして、まさかりを担いで熊に乗ったりして育ったとされます。

♫ まさかりかついで 金太郎 熊にまたがり お馬の稽古 はっしどぅどぅ はぃどうどう はっしどうどう はぃどうどう                                                                 ♫ 足柄山の 山奥で けだもの集めて 相撲の稽古 はっけよぃよぃ のこった はっけよぃ のこった

長じて、金太郎は源頼光に見い出され、頼光の家来になって坂田公時(さかたのきんとき)と呼ばれるようになりました。頼光四天王の一人として、大江山の酒天童子征伐などに活躍したとされます。

 

足柄山の金太郎と熊

① 「金太郎と山姥と熊」のレリーフ

第六天神社  東京都杉並区高井戸西1-17-5

神使像めぐりをしていて、神社や寺では、なかなか巡り会えないのが「熊」の像です。杉並区の「第六天神社」で、熊が金太郎や山姥と共に、狛犬の台座の側面に浮き彫りにされている図を見ました。足柄山の金太郎伝説に基づく図柄(レリーフ)です。なかなか楽しい図ですが、なぜこの図柄がここに彫られているのかは不明です。

金太郎と山姥と熊 (狛犬の台座の側面)  狛犬:御即位大典記念 大正4年(1915)氏子中 石工伊藤富士勝

101  第六天神社の金太郎#

 

② 足柄峠の金太郎の石像

足柄山聖天堂 静岡県駿東郡小山町竹之下3649(足柄峠)

足柄峠(海抜759m)は駿河国と相模国の国境の峠です。足柄峠にある足柄聖天堂の前に熊に乗る金太郎像(石像)が奉納されています。                                          奉納:昭和57年(1982)9月吉日

201  聖天堂前の金太郎02#

 

③ 足柄山の金太郎像(銅製)

伊豆箱根鉄道 大雄山駅 (関本)

小田原駅発の伊豆箱根鉄道大雄山線の終点「大雄山駅」の駅舎の左手に猿、兎、狸と共に「熊にまたがる足柄山の金太郎」の像があります。金太郎伝説を軸に観光に力を入れる、南足柄市を中心とした公的機関や企業の奉賛によるものです。

ここからバスで、地蔵堂を経由して足柄峠や金時山へのハイキングコースや、大雄山道了尊(最乗寺)を経由して明星ケ岳・金時山など箱根外輪山を巡るハイキングコースなどもあります

301 大雄山駅金太郎

 

401 大雄山駅金太郎明神

④ 金太郎大明神

伊豆箱根鉄道 大雄山駅

大雄山駅入り口の右手に、賽銭箱を前に、熊に乗った木彫りの金太郎大明神が置かれています。金太郎大明神の持つ鉞(まさかり)は「まさか利」に通じるので、像に触ると、「まさかのご利益」すなわち「思いがけないご利益」を授かれるとのことです。

 金時神社(坂田金時を祀る社、金時山登山口の一つ)に奉納された大マサカリ

金時神社の大鉞(マサカリ)

 

 

 

 

⑤  足柄駅前の金太郎像501 JR御殿場線「足柄駅」前の金太郎

JR東海・御殿場線 足柄駅

御殿場線足柄駅は、この駅から足柄古道をたどり、足柄峠を経て金時山へ登る(足柄駅-足柄峠-夕日の滝分岐-金時山)登山口です。

駅前にハイキング地図と共に、熊に乗り鉞(まさかり)を担いだ金太郎像があります。

 

 

➅ 乙女峠・ふじみ茶屋の金太郎像

乙女峠ふじみ茶屋は、JR御殿場駅より箱根仙石方面バスで「乙女峠」下車。金時山への登山口(乙女峠バス停-乙女峠-長尾山-金時山)。茶屋に金太郎と熊が相撲をとっている像があります。お尻は撫でられてテカテカになっています。

601 乙女峠ふじみ茶屋の金太郎

 

➆ 足柄大橋の金太郎像

 足柄大橋:東名高速の大井松田インターチェンジと南足柄市とを結ぶ道路が、酒匂川を渡る橋梁で、橋長674mの長大橋。小田急線新松田駅(JR御殿場線松田駅)より約1km。橋の東西の親柱に熊にまたがったり動物を連れた金太郎の像が載っていて、橋のシンボルとなっています。

         足柄大橋の東端                     足柄大橋の西端

701 足柄大橋の金太郎