イタチの石像

イタチ(鼬)の石像にはめったに出会えません。偶然出会った珍しいものなので、ここに一稿としました。
豊島区の妙行寺と墨田区の牛島神社の境内にあったのですが、なぜイタチの像なのか謎のままになっています。

イタチは、テン・オコジョ・イイズナ・カワウソ・アナグマなどと同じ科。、一見小柄でしぐさも可愛らしいのですが、かなり凶暴な肉食獣で、鼠、カエルさらには鶏や兎などまでも捕食するとのことです。川辺、河原や溝などを狩場とするようです。最近は民家の近辺に出没する獣害小動物として駆除の対象ともされています。 また、江戸時代には、イタチは妖怪の類でまざまな怪異を起こすものとされ、狐、狸、貉と同様に化けるともいわれていたとのことです。

wikipedia(シベリアイタチ)

イタチは、キツネやタヌキ、ムジナは昔話や童話に登場しますが、イタチが登場するのは「ことわざ」だけです。

イタチの最後っ屁(さいごっぺ)
イタチは、追い詰められると肛門付近の腺から悪臭を放ち、相手がひるんでいるすきに逃げることから、窮地に追い込まれた時などに使う非常手段のたとえ。(故事ことわざ辞典)

イタチごっこ
二人が互いに、相手の手の甲をつねって(イタチに噛まれるさま)、自分の手をその上に載せ、交互にくりかえす子供の遊び。転じて、同じようなことをいつまでもくりかえす、埒(らち)があかずきりがない、いつまでも決着がつかず無益なこと。

妙行寺のイタチ

妙行寺(みょうぎょうじ) (東京都豊島区西巣鴨4-8-28)

妙行寺は、四谷怪談で知られる「お岩さん」のお墓があることで有名ですが、その「お岩の墓」のすぐ手前に、赤穂事件(忠臣蔵)で有名な浅野家ゆかりの女性の墓や供養塔が三基並んでいます。
この中に、浅野内匠頭長矩公の弟の長廣公の夫人・蓮光院殿妙澄日清大姉のお墓があり、墓の前に屋根のついた宮型香炉が置かれています。なんと、その屋根の上に配されていたのは「いたちの像」なのです。驚きました。まず出会うことのない「いたち像」です。でも、なぜイタチなのかは不明です。

 

牛島神社のイタチ

牛島神社 東京都墨田区向島1-4-5

牛島神社(うしじまじんじゃ)は、貞観二年(860年)に慈覚大師のご神託により創建されたとする社で、祭神は須佐之男命(すさのおのみこと)ほかニ柱。神使は牛です。
島神社の拝殿の裏に、参拝者は入れない、先代像や廃物などの置き場があります。神社を囲む、道路沿いの石柵の間からそこの一部をのぞくことが出来ます。そこに「いたち」と思われる石像の一体(一基)があるのを発見しました。カメラを差し込んでようやく写真に納めました。しっかりした造りで立派な台石に載っています。この「いたち像」奉納の由縁をぜひ知りたかったのですが、いまだに不明のままです。(現在もあるかどうかは未確認)

 

参考:いたち川のイタチ

本郷台駅(JR京浜東北・根岸線)下車、いたち川プロミナード(城山橋-大いたち橋)、神奈川県横浜市栄区役所近隣

いたち川プロムナードには遊歩道に様々な彫刻物が置かれています。川の中には、川の名に因んだ「いたち」の石像(オブジェ)があり、川面によくマッチしています。