水天宮に、母と子の絆と愛情が感じられる狛犬や和犬の像があります。

水天宮の総本社は福岡県久留米市の久留米水天宮。   寿永4年(1185)の壇ノ浦の源平合戦で破れて、8歳で入水された安徳天皇、 建礼門院(安徳天皇の母君)、 二位ノ尼(平清盛の妻/安徳天皇の祖母)の御霊を、源氏の目を逃れ九州の久留米付近に落ちのびた、平家の女官、按察使(あぜち)の局伊勢が、小さな祠にお祀りしたのが始まりとされます。

水天宮は、古来、水難除け・災難除けとして、農業、漁業、航海者などの間で信仰され、江戸期になると、特に東京水天宮を筆頭に、子宝(子授け)、安産、子育てにもご利益があるとして人々の信仰を集めてきました。水天宮の縁日は各月の5日または5の日(5・15・25日)です。しかし、犬のお産は軽いので、「戌の日」に腹帯を巻く習慣が古くからあることから、戌の日に安産祈願に参拝する人も多いとのことです。


下掲の水天宮三社の境内には、子宝・安産祈願に因んで、母子の絆と愛情が感じられる狛犬や和犬像が置かれています。

東京水天宮

東京都中央区日本橋蛎殻町2

正面階段上 左の狛犬

正面階段上に左右一対の青銅狛犬が控えています。右の阿像は玉もち、左の吽像は子持ち。

子持ちの左像は、いかめしい親子像ですが、互いに愛(いと)おしげに目線を合わせているようにみえます。

 奉納:久留米出身の石橋正二郎(ブリジストンタイヤの元会長)
津田永壽謹作 昭和四十二年五月吉日

 

 

 

 

子宝犬

「子宝いぬ」と名付けられた母子犬の像があります。母犬は鈴で遊ぶ子犬を慈愛に満ちた表情で見守っています。

母子の犬像の回りには十二支の文字が配されていて、「ご自身の干支をなでて、子宝、安産、無事成長をお祈りください」と、案内板にあります。

 

 

 

杉山神社内・横浜水天宮

 神奈川県横浜市南区南太田2-7-29

授乳狛犬

この社の狛犬は玉もち(左)、子もち(右)の一対ですが、右の狛犬は、母犬が子犬に乳を与えている様子に彫られています。この姿から、この授乳狛犬を撫でると、安産で、母乳の出もよく、子育ても順調にできるなどのご利益があるとされています。

明治23年9月 石工 発起人 紅葉丑五郎

 

 

 

 

 

 

諏訪部神社の末社・平塚水天宮

神奈川県平塚市諏訪町28

安産おさすり犬

 

『犬はお産が軽いと言う事から、ひたすら世の安産を願い、此処に「安産おさすり犬」を建立する』と、あります。

 

 

 

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