合羽橋のカッパ

曹源寺
東京都台東区松が谷3-7-2 メトロ銀座線「田原町」、JR上野駅から歩13分

 「てっへんへ手向けの水や川太郎」と刻まれた、合羽川太郎 の墓とされる石碑の脇に、河童の石像が置かれています。

曹源寺は通称「カッパ寺」と呼ばれています。この寺に河童の石像があります。

 「かっぱ寺」の伝承

 現在は道具の問屋街として有名な合羽橋付近は、かつては水はけの悪い低地で、雨が降る度に洪水になり、人々は困っていました。 文化年間(1804-17)に、当地の住人で雨合羽商の合羽川太郎(合羽屋喜八)という人物が、私財を投じて、排水のための掘割工事に とりかかりました。このとき、かつて川太郎に助けられた隅田川の河 童が工事を手伝い、掘割工事は完成しました。 また、工事の最中に、この河童を目撃した人は不思議に運が開けて 商売が繁盛したといいます。そこで、義人川太郎と共に河童も福の 神として曹源寺に祀られたと、伝わります。 この伝承が「かっぱ寺」という通称の由来ですが、「合羽橋」(合羽橋 交差点の付近にあった)という橋の名もまた、この伝承に由来すると もいわれます。 (台東区教育委員会)– 掲示板より

境内の河童大明神の本 堂の前には、かっぱ橋 道具街奉納の「波乗福 河童」「かっぱ講」の赤 い幟がはためいていま す。「波乗り福河童」の 意味は、「時勢の波に 乗り、客と福財を招く河 童大明神」ということだ、 と聞きました。


伝説「河童徳利」のカッパ

輪光寺
神奈川県茅ヶ崎市円蔵2238、JR相模線「北茅ヶ崎駅」から徒歩15分

水を張った大甕の中に2匹の河童が浸り、ご機嫌な様子の河童像(陶製)

輪光寺の本堂の右下に、大甕(かめ)につかる河童の像が奉納されています。 寺の近くには小出川(旧間門川)がありますが、この川にまつわる「河童徳利(かっぱどっくり)」という 伝説があり、茅ヶ崎地方の民話として知られます。寺の河童像はこの伝説に因んだものです。

伝説「河童酒徳利(かっぱさかどっくり)」

五郎兵衛という正直で働き者が住んでいました。 ある日、五郎兵衛が間門川で馬のアオを洗っていると、 河童が出てきてアオの尻尾を掴み川に引ずり込もうとし ました。驚いた五郎兵衛の叫び声を聞いて、村の若い 衆も駆けつけ、一緒に河童を捕らえ木に縛りつけました。 すると、河童はオイオイ泣いて助けを求めるので、五郎 兵衛は可愛想になって放してやりました。 その夜、五郎兵衛の家に河童が現れ、お礼にと、徳利 を置いていきました。その徳利はいくら汲んでも酒は尽 きないが、底を三回叩くと出なくなるとのことでした。 この時から、五郎兵衛は朝から夜まで酒浸りになり、 すっかり怠け者になってしまいました。 ある日、馬のアオが餌ももらえず、やせ細っているのに 気付いた五郎兵衛は、これはいけないと、徳利の底を 三回叩くと酒は一滴も出なくなりました。 五郎兵衛は、また、もとの働き者に戻ったとのことです。

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