福岡県筑後市に「羽犬塚(はいぬづか)」という地名があり、 JR鹿児島本線の駅名にもなっています。 地名のもととなった羽のある犬とはどんなものか、 その由来は? 興味を惹かれました。
市内の寺(宗岳寺)には400年以上も前からの羽犬塚があり、豊臣秀吉にまつわる羽犬(はいぬ)伝説もあって、まるっきり荒唐無稽の話でもなさそうです。市内のあちこちに羽犬像が建てられ、ご当地キャラクターの役割も担っています。
羽犬の塚 羽犬伝説
宗岳寺 福岡県筑後市羽犬塚521
宗岳寺には、境内に羽犬の由来ともされる「羽犬の塚」があります。この羽犬伝説には相反する悪犬伝説と良犬伝説があるとのことです。以下は筑後市のHPからの転載です。
宗岳寺の「犬の塚」
悪犬伝説
昔この地に羽の生えたどう猛な犬がいたというものです。「羽犬は旅人を襲ったり家畜を食い殺したりして住民から恐れられていた。天正15年(1587)4月、天下統一をめざす豊臣秀吉は薩摩(さつま)の島津氏討伐のため九州に遠征してきたが、この時、羽犬によって行く手を阻まれた。大軍を繰り出しやっとの思いでそれを退治した秀吉は、羽犬の賢さと強さに感心し、この犬のために塚をつくり丁寧に葬った」とのことです。
良犬伝説
九州遠征に羽が生えたように跳び回る犬を秀吉が連れて来たというものです。「その犬は、この地で病気にかかり死んでしまった。大変かわいがっていた秀吉は悲しみに暮れ、それを見かねた家来たちは、その犬のために塚をつくり葬った」とのことです。
以上、福岡県筑後市公式HP、キラリ!筑後遺産「羽犬伝説と羽犬の塚:広報ちくご(平成12年9月号)より」
羽犬の像
市内のあちこちに羽犬の像があります。
羽犬塚小学校正門前の羽犬像
鳥ではないのに、羽犬と同様に羽のある(架空)動物像があります。街中で見つけた像を掲示しました。 写真をクリック拡大してご覧ください
① 羽のある馬 (ペガサス–天馬)
ペガサスは、ギリシャ神話の天馬で、羽で天空を自在に翔けますが、気難しく、乗り手を選びます。
オペラ座屋上のペガサス
オペラ座の怪人 / 劇団四季60周年展
於:東京 丸の内ビル 2012年12月撮影
② 羽(鰭)のある麒麟
東京・日本橋の欄干
四霊獣の一つ麒麟(きりん)ですが一般的な像とは異なります。羽翼のように見えるのは鰭(ひれ)です。このように鰭(ひれ)を強調した麒麟像は他には無いようです。
③ 羽のある龍(飛龍)
日光東照宮 手水舎
龍は羽がなくとも天地空中を自由に飛び回れますが、羽のある龍もいます。
④ 天使(エンゼル)・キューピッド
キューピッドはギリシャ神話の愛の神で、翼を持つ美少年、。手に持つ弓矢で胸を射られると恋に陥るといわれます。
銀座・天賞堂 日本橋 高島屋
街角に身を潜めて、恋の矢でカップルを待ち狙う 入り口ホールの大理石像(イタリアから輸入)
⑤ 羽のある亀
羽亀の噴水(JR総武線「亀戸駅」、亀戸駅前公園) 羽のある親子亀が3体重なり、最上段の子亀の背から噴水。作:TETSUYA MATSUMOTO 1992